



●授業数 : 2時間×3日(プラスして学校内での補講あり)
●必要な設備 : プロジェクター、スクリーン、ドライバー、ペットボトル加工用のはさみ
「教えることは最大の学び」 子どもといっしょに若手人材も学ぶ
酉島製作所は、公共用・産業用のポンプ製造・販売を行う創業90年を超える東証一部上場企業。
各部署から一名ずつ選出された若手社員9名でチームを結成、自らの会社や仕事を題材に授業を行いました。
「どんな授業にするのか、何を伝えるのか」というテーマ設定から具体的なプログラムづくりまで、コーディネーターの支援を受けながらも、社員が半年がかりで行うのです。
2年連続して行う理由は、もちろん1年目に大きな成果が出たからに他なりません。
子どもたちの笑顔、アンケートでわかる変化、感動的な感想。
こうした経験を経た1期生たちにも確実に成長が見えました。
通常の仕事をしながら課外活動としての授業準備。
ほとんど話したこともない人たちとの共同作業。社内リハーサルでの失敗…。
もちろん日常的な仕事の中でも成長はしますが、「非日常」の困難を乗り越えることで、自信をつけた社員たちは大きく成長します。
また先生方の「世界でひとつしかないもの(ポンプ)を作る場所にいるのは本当に興味深い」という言葉などから、改めて自分たちの仕事の意味を知ることに。
自社の事業や他部署業務の理解が進み、チームでの活動を通して横のつながりができる。
これらが実務にもよい影響を及ぼしているのです。
理科の教科書のペットボトルロケットが題材
若手社員たちのチームが作り上げた今回の授業のコンセプトは「楽しいものづくりを通じて、オ~(感動)を伝える」。
「水クイズ、会社紹介、ポンプクイズ・ものづくりの実演」「飛ばせみんなの夢と希望!(ものづくり)」「実技大会とポスター発表」「働く人の思いを語る」を、計3日間の出前授業で実施。
ペットボトルポンプ、ヘロン噴水、ペットボトルロケットを題材にしたものづくりと、その性能やデザインを競う実技大会、ポスターによるプレゼンテーションを組み合わせた授業です。
ペットボトルロケットは理科の教科書にも載っていますが、教員だけで教材づくりから実験までを行うには困難が伴います。
今回はポンプや噴水、ロケットの仕組みも含め、実際のものづくりの専門家に教えてもらったことで、子どもたちの学びは深まりました。
また彼らの姿を見て「働く」ということを身近に感じることができるようになりました。
参加3日目となる最終日は、ものづくりで素晴らしい成果を出した子どもたちに、手作りの表彰状と自社で鋳造した「メダル」を贈呈。
「予想以上の反応が返ってきて、自信が沸いてきました。気づけば自分が子どもたちから学んでいたのだと思います」というメンバーたち。
終了後の社内発表会で、植木リーダーはこんな言葉を発しました。
「魂をこめてものづくりの大切さ、楽しさをもう一度考えていく必要があると思っています。その先に我々の感動と、お客様の感動が待っている。決してやらされている仕事に感動はない。ドリカムスクールでの活動を通じて、子どもたちの姿を見て、改めてそう感じました」
■授業をうけた子どもの声
・ものづくりは一人じゃできないということがわかった。どんな時もチームワークは大切だと思った。
・はかせやリエさん、いろいろな人がいっぱい教えてくれたの勉強になった。
・ロケット作りに成功したし、とても楽しかった。全部わすれないようにしたいです。
■授業を行った企業の感想
・普段は設計の仕事をしていますが、今回「授業」という製品を自分たちで設計・製作・実行したことで、仕事においても様々な部署を経験したいと思うようになりました。
・いっしょに苦しんで頑張って、初めてチームワークが生まれるんだと知りました。
・他人とのつきあいが苦手ですが、今回のチームで自分の主張だけでなく相手の意見を聞く大切さがわかり、メンバーとの間に深い絆ができました。